プロラクチンとは?プロラクチンの作用と基準値より高い、低い場合の体に与える影響

プロラクチンとは

「プロラクチン」という言葉は、妊活中の方や不妊症で悩んでいる方は一度は聞いたことがあるかもしれません。

今回は、プロラクチンの作用、そして基準値より高い、もしくは低い場合に、体にどんな影響を及ぼすのかを詳しくまとめてみました。

不妊や月経不順に悩む女性だけでなく、男性にも読んでいただきたい内容です。

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告

プロラクチンとは?

プロラクチンとは、主に脳下垂体前葉から分泌されるホルモンの一種で、妊娠、出産、授乳に関わるホルモンです

乳腺刺激ホルモン、乳汁分泌ホルモン、黄体刺激ホルモンなどと呼ばれたりします。

女性は妊娠、出産、そして授乳中にプロラクチンが多く分泌されます。

なお、このホルモンは女性だけでなく、男性にも分泌されます。

それでは、プロラクチンは体にどんな作用があるのか見ていきましょう。

プロラクチンの作用

プロラクチンは、出産後のママが生まれたばかりの赤ちゃんを育てるうえで非常に重要な役割を果たしています。

具体的にどんな作用があるのかまとめました。

作用1.乳腺を発達させる

妊娠すると徐々にプロラクチンの分泌量が増えていき、乳腺が発達します

妊娠後、胸が張ったり大きくなったりするのはこのためです。

作用2.母乳の生成を促進する

プロラクチンは、赤ちゃんにとって重要な栄養源となる母乳の生成を促進します

妊娠中は女性ホルモンのエストロゲン、プロゲステロンによって母乳の生成は抑制されています。

作用3.母乳を分泌させる

赤ちゃんがママの胸に吸い付く刺激でプロラクチンとオキシトシンというホルモンが分泌され、母乳が出るようになります

搾乳刺激によってプロラクチンとオキシトシンの分泌量が増えていくので、母乳は授乳の頻度に比例して生産量が多くなります。

オキシトシンは別名「幸せホルモン」「愛情ホルモン」とも呼ばれ、ストレスを緩和し、幸せな気分をもたらすホルモンです。母親が母乳を与える時に幸せホルモンが分泌されるなんて、人体の神秘を感じますね。

作用4.排卵を抑制する

プロラクチンには、産後すぐに妊娠しないように排卵を抑制する働きもあります

無排卵・無月経になるのはこのためです。

産後間もないママはダメージが大きく体力が低下しています。

そのため、出産直後の妊娠は、体に大きな負担がかかってしまいます。

しばらくの間子育てに専念できるよう、うまくできているんですね。

男性への作用

女性だけでなく男性にもプロラクチンは分泌されていて、精嚢腺や前立腺などの生殖機能の発達を促します

産後、夫とうまくいかないのはプロラクチンの影響?

これら生理作用の他にも、プロラクチンは母性行動を誘導するなど、脳にも影響を与えます。

母性行動・・・親が子を保護し、生存率を高めるような行動

また、自分の子供を守るために、子供以外の存在に対し(夫も含め)敵対心を抱きやすくなり、攻撃的になるとも言われています。

悲しいかな、産後急に夫とうまくいかなくなる「産後クライシス」に陥ってしまうのも、プロラクチンの影響があるのかもしれません…。

プロラクチンの基準値

では、プロラクチンはどれくらいが正常値と言えるのでしょうか。

プロラクチンの基準値について調べてみると、これは測定方法によってだいぶ値が変わってくるようです。

その測定法も何種類もあるんですね。

ネット上でもこの説明がないまま色んな数値が載っていて、かえって混乱を招きやすいので、ここではあえて割愛させていただきます。

プロラクチンの検査方法

プロラクチンの検査は血液採取によって行います。

血液検査の結果でPRLと表記されるのがプロラクチンです。

プロラクチン値は変動しやすいので、月経7日以内に朝起きてから数時間後の食事前、あまりストレスのない安静時に行うのが望ましいとされています。

無月経や不妊症の疑いがあったり、妊娠していないのに母乳が出たりしたとき、にプロラクチンの検査を行います。

男性も、性欲の低下や男性機能の低下の疑いがあるときに検査を行います。

では、検査の結果、プロラクチンの数値に異常があった場合、どんな症状が出るのでしょうか。

プロラクチンが高い場合

妊娠中、授乳中でないのにもかかわらず、プロラクチンの数値が基準値よりも高いと、月経不順や排卵障害、不妊、流産などの原因になることがあります。

特に数値が高い場合は「高プロラクチン血症」と診断されます。

高プロラクチン血症の場合、妊娠していないのに母乳が出たり、吐き気やめまいを伴う頭痛、無月経、無排卵、不妊症といった症状があらわれます。

男性も、高プロラクチン血症だと性欲の低下や勃起不全などの症状があらわれ、不妊を引き起こす原因になってしまいます。

プロラクチンを下げる漢方薬がある!?

高プロラクチン血症の治療で、テルロンやパーデル、カバサールのようなプロラクチン値を下げる薬が処方されるのですが、副作用が辛かったり、そもそも薬を飲むのが苦手だったり、中々続けるのが困難な方もいらっしゃるかと思います。

そんな方たちの間で話題になっているのが、「炒り麦芽」という漢方薬です。

炒り麦芽は、麦芽(発芽した大麦)を軽く炒ったもので、プロラクチンを抑制する働きがあると言われていて、本来赤ちゃんの断乳時や卒乳したい時に飲まれます。

ただこの炒り麦芽、一箱10,000円ぐらいで結構なお値段なんですよね…。

楽天で炒り麦芽が入ったお手頃価格のお茶が売っていたので、ご紹介しておきます。

卒乳NANO茶[そつにゅうなのちゃ]8包(炒り麦芽、棗の実・ハコベ・金銀花・蒲公英根(たんぽぽの根)・ハトムギ)

興味がある方はまずこちらで試してみるのもいいかもしれません。

ちなみに炒り麦芽は生理中は服用しなくていいようです。

なお、本格的に炒り麦芽を治療に取り入れたい方は、まずは漢方の専門家に相談されることを強くおすすめします。

プロラクチンが低い場合

検査の結果プロラクチンの数値が低かった場合、脳下垂体腫瘍、甲状腺機能亢進症、シーハン症候群の疑いがあります。

妊娠、出産時以外は低ければ低いほどいいのか、といったらそうではないんですね。

プロラクチンは卵胞の発育や受精、着床においても重要な役割を果たすホルモンなので、プロラクチン値が低過ぎても不妊の原因になってしまいます。

また、産後であれば母乳があまり出なくなったりします。

まとめ

これまでプロラクチンが体に与える影響について詳しく見てきましたが、女性の妊娠、出産時に非常に重要な働きがあることがわかりました。

妊娠していないのにプロラクチンの数値が高いと不妊の原因になってしまうんですね。

また、男性にも分泌されていて、性機能に影響がある、というのは意外でした。

不妊に悩んでいる方は、一度ご夫婦でプロラクチンの数値を測る血液検査を受けてみてはいかがでしょうか。

参考 プロラクチン – Wikipedia

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告
レクタングル(大)広告

フォローする